子供が欲しい!そう思い始めてから数か月後。思ったよりも早くその時はやってきました。
赴任したのは結婚生活も一年を過ぎ、「そろそろ子供が欲しい。」と、考え始めた時期です。
環境が変わったばかりで慣れない土地での妊娠は心配、ということで計画を延期しての待望の赤ちゃん。
妊娠検査薬で陽性反応が出た喜びに浸りながら、夫婦で今後の方針を相談しました。
赴任期間から想定して、漠然と海外で出産をすると思っていたものの、改めて夫と相談してその考えが確固たるものになりました。
今回はアメリカ滞在中に妊娠した場合、どのように海外出産を決断したのかを紹介していきます。
判断のポイント
海外出産をするか迷ったとき、まずは以下のようなことが懸念材料として挙げられます。
これらを検討して、アメリカで問題なく出産可能なのか、それとも日本に帰国して出産した方がよいのか判断しました。
1、医療保険が適用されるか
アメリカは民間の保険に入るシステムが一般的です。
自分の所属する会社の保険が妊娠・出産に適用できるかによって自己負担の費用が大きく違います。
2、妊娠・出産にかかる費用
目安として検診と出産費用で200万円程度かかります。
これに加えて追加検査や妊娠中の長期入院、帝王切開、生まれた子供がNICUに入った場合などはさらに莫大な費用がかかります。
医療費や出産費用の支給規定は会社ごとに異なるので、保険で支払われない金額の精算方法を確認する必要があります。
(実費支払い後に全額支給、日本の健康保険の出産金で補填する等。)
3、医療水準が日本と同等またはそれ以上か
基本的にアメリカは医療先進国なので日本よりも高い医療が提供されています。
4、周りに出産経験のある人がいるか
身近な相談相手がいることは妊娠中の精神安定剤になります。
赴任先、または別の場所でも海外出産の経験者がいると心強いです。
5、日本語が話せる医師がいる、または通訳サービスが利用できるか
検診や出産時に日本語が使えれば言葉の不安は軽減されます。
日本語ができるスタッフがいなくとも、多くの医療機関では通訳サービスを無料で受けられます。
実際に通訳者が診察や検査に同伴するのか、電話やタブレット端末を使っての遠隔地からの通訳なのかは様々です。
6、産後のサポートの有無
一番安心できるのは家族や親戚に滞在してもらい、育児や産後のケアをサポートしてもらえることです。
もしも、困難な場合は現地に住む友人、知人、または外部サービスを頼ることも考えられます。
これらの条件が揃っている程、海外出産の難易度や不安がぐっと下がります。
私の場合、1~4はクリアしていました。
5は診察時に通訳が対応してくれる病院を選ぶことにし、
6はお互いの家族に出産前後1か月程、手伝いに来てもらえるよう依頼しました。
その上で更にメリット・デメリットを検討してみました。
アメリカで出産するメリット
・アメリカ国籍を取得できる(子供のビザ申請をしなくてよい)
・麻酔を使った無痛分娩が一般的
・夫と一緒に妊娠~出産~子育てを経験できる
・夫が出産に立会いできる
・里帰り出産で妊娠中と産後の乳児連れの長時間移動(引っ越し)がない
・ドゥーラ、ベビーシッター等の産後サービスが普及している
・パスポートの名前表記がヘボン式にこだわらなくともよい
アメリカで出産するデメリット
・言葉の壁
・妊娠や出産において考え方や習慣が違う(自分で調べることが多い)
・麻酔を使わない自然分娩を選択する場合、スタッフがその出産方法に慣れていない
・里帰り出産ができない(それぞれの実家からのサポートが限定的になる)
・夫が出張または仕事が忙しい時期に重なるとサポートは期待できない
・検診・出産で想定外の医療費がかかり、保険適用外の場合は金額が莫大
・日本製品を利用したい場合、入手困難なものもある
結論
決め手となったのは、日本よりも医療水準が高いこと、無痛分娩が一般的であること、夫が妊娠、出産、育児に関われることでした。
もちろん不安はありました。
海外生活に慣れてきて多少英語も話せるとはいえ、医療用語はまったく知識がありません。
しかし、同じようにアメリカで妊娠経験を持つ友達が、夫婦で協力して様々なことを乗り越えた姿を見て、
自分も初めての赤ちゃんが成長するのを夫と一緒に共有したいと強く思ったのです。
実はこの意思決定を実家に報告した時、反対されました。
私の親は里帰り出産することが当然だと思っていた上に、娘が海外で出産することがとても心配だったようです。
日本で出産するにしても、通常の里帰り出産よりも大変でリスクを伴う具体例を挙げて説得しました。
何を重要視するかは人それぞれです。
夫婦間はもちろん、協力してもらう家族とも話し合って安心できる方法を決めることが大切だと感じました。
結果としてアメリカで出産してよかったと思います。
ハプニングやトラブルもありましたが、それを乗り越えられたのはやはり一番重要視した『夫婦で一緒に経験』できたことが大きいです。
コメントを残す