みなさん、海外で暮らすにあたっていちばん不安だったことは何ですか?
ベルギーに赴く私にとって、最大の不安はやはり言語でした。
義務教育の頃から幾度となく触れてきた英語でさえ不安なのに、日本人にとって全く馴染みのない非英語圏で暮らすとなると、もはや恐怖です。
今日はそんな「言葉の壁」について、お話させていただければと思います。
複雑怪奇な多言語国家、ベルギー
私の住むベルギーでは主にフラマン語(オランダ語の派生)、フランス語、ドイツ語が話されています。
ベルギーは北部のフラマン語圏、南部のフランス語圏、東部のドイツ語圏と、三つの語圏に分かれています。私の住んでいる首都ブリュッセルは北部のフラマン語圏の中に位置しながら、ブリュッセルだけフランス語圏という、不思議な構造になっています。
同じ国内でも「今、私は何語圏にいるの!?」とパニックになってしまう、そんな国です。
フランス語力ゼロの状態で渡欧
そんな複雑怪奇な多言語国家に赴くにあたって、言葉の問題はずっと懸念事項でした。
私は大学時代に第二言語としてほんの少しフランス語をかじったことがあるのですが、その頃のことは忘却の彼方。そのため渡欧前にアテネ・フランセで少し勉強することにしました。
現地でもフランス語学校に通うつもりだったので、とりあえずアテネ・フランセで最も基礎的なコースを終えて、意気揚々と飛行機に乗り込む私。当時の私はこれから始まる地獄を知る由もなかったのでした、、、
地獄のスパルタ語学学校
結果、私は早々にして地獄を見ることになりました。
ベルギーに到着して翌々日、やる気いっぱいの私は早速現地で最大手の語学学校アリアンス・フランセーズの門を叩きます。
オンラインの入塾テストでB1.1(初~中級レベル)クラスに割り振られた私。当然、他のクラスメートも同じテストで割り振られているのだから、自分とさほど変わらないレベルのはず。そんな甘い考えで初回の授業を受けてみたけれど、、、
みんなペラペラ!!
もともとイタリア語やスペイン語はフランス語に似ているため、これらを母語とする生徒はペーパーテストでは点数が低くても、話す分には問題ないという人がたくさんいます。
加えて、学校内ではフランス語しか話してはいけないという過酷さ。フランス語を勉強しに来たのに、なぜ初日からここまでのレベルを求められるのか、、、
結局、2つほどレベルを落として他のクラスに入り直したのですが、ここでも自分が一番劣等生。
涙で枕を濡らす日々。
語学学校の外は優しい世界
語学学校では心折れる日々を過ごしていた私ですが、日常生活でも言葉の壁で苦しんでいたのかというとそうではありません。
街の中心部ではもちろん、地元のスーパーでさえ、店員さんは私のように一目で外国人とわかる人に対しては英語で接しようとしてくれますし、英語ができない人でも身振り手振りで伝える努力をしてくれます。
そして、こちらが少しでもフランス語を話すと、大げさに褒めてくれて、とても嬉しそうにしてくれます。
これは多言語国家ベルギーだけのことかと思ったら、フランスに旅行に行った時も、皆さんそのように接してくれました。
現地語が話せなくても問題なし。下手でも現地語を話そうと頑張れば大絶賛。
失うものは何もなく、得るものばかりの優しい世界がそこにはありました。
語学学校に通うなら早目の準備を。でも、恐れることはない。
以上の通り、語学学校で悔しい思いをしないためには、出国前に相当頑張って準備しておく必要があると思います。
他方で、言葉ができなくても生活に困ることはほとんどありません。
今時のスーパーはオートレジもあって、買い物するだけなら無言でOK。
役所での手続きも、外国人が多く住んでいる土地なら役所の人も外国人の扱いを心得ているので、問題ありません。
でも、やはり言葉は大切なコミュニケーションツール。
日本でも、カタコトの日本語で挨拶してくれる外国人にはつい心を許してしまうものですよね。
無理する必要はないし、過剰に恐れる必要はないけれど、現地語を使うことでより生活が楽しくなると思います。できる範囲で現地語を勉強しましょう!
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