タイの大学って、どんな雰囲気なのか気になりませんか?
タイに来て、私が最初に通った語学学校の先生は大学生アルバイトでした。
工学部に在籍している彼は、いわゆるヲタク君で、モーニング娘。をこよなく愛してちょっと変わった日本語を操っていました。
2つ目の語学学校の先生も、同じく大学生アルバイトで教育学部で英語を学んでいました。
2人の先生に共通するのは、
①普段接しているタイ人よりも裕福な生活を送っている雰囲気
②英語がペラペラ
③地方出身で下宿生活を送っている
というトコロでした。
なんだか「タイの大学生」に興味が湧いた私は、
ずっとタイの大学に行ってみたい・・・と野望を抱いていました。
今回は、駐在生活ではなかなか足を踏み入れる機会がない大学構内を、隅々までご紹介します!!
1、その前にちょこっとタイの教育事情をお勉強
タイは日本よりも超学歴社会!貧富の差も、日本とは比較にならない格差社会です。
タイの義務教育は6・3年と日本と同じ9年間ですが、約20年前までは6年間(つまり小学校のみ)でした。
現在の大学生の親世代が小学校しか出ていないこともある、というのがタイの現実です。
タイでは貧困の無限ループが今でも根強く、小卒の親が子供を大学に行かせるという発想はありません。
超学歴社会で、格差社会のタイでは、教育が貧困を抜けだす手段ですが、大学に通わせる経済的余裕がないというのも現実。
日本と同じように、タイの大学は「国立」「公立」「私立」があります。
学費は年間で3万~100万バーツ(約10万~350万円)と幅が広く国公立か私立か、理系か文系かで学費が大きく変わります。
平均年収が38万バーツ(約140万円)と発表されていますが、実際の中流家庭の年収は20万バーツ(約70万円)程度だと言われています。
都市部にしか大学は無いので、地方出身の学生は必然的に下宿が必要となり、
学費以外の出費も加わって、子供を大学に行かせるというのはかなりの経済的負担があるのです。
そんな事情から、タイの大学生はある一定の生活レベルから上の子供たちしか存在しないのです。
つまり、タイで出会う大学生は「タイ国内では裕福な家庭のお子さん」という事になります。
私が出会った語学学校のアルバイト学生が潤いある生活を送っているように見えたのは、こういうコトだったんですね。
ちなみにタイでも奨学金制度があって、いわゆる「苦学生」というのも存在しますが、マイノリティーです。
2、いざ!大学構内に潜入
今回私が潜入したのは「公立ブラパー大学」。
タイ国内の大学ランキングで常に上位20位以内をキープしている名門大学です。
学生数は4万人近い総合大学で、その敷地は一つの街さながら。
赤枠内が全て大学の敷地です。
敷地内には学部棟やライブラリー、食堂やカフェ。コンビニ、病院さらにはエステまで!
学生の寮や、教員の宿舎もあるので、大学構内から一歩も外に出なくても生活が出来ます。
むしろ車がないと、牛乳の一本も買いに行けない我が家よりもかなり便利かも・・・。
そんな広い構内は基本的に誰でも入ることができます。
なので、朝早くからご近所さんがランニングやお散歩をしていたり、
近くの幼稚園から子供たちがグランドに遊びに来ていたりと、とっても地域密着☆
正門を入ってすぐの所には
かなり本気の水族館があるので、シラチャ在住ファミリーのレジャースポットにもなっています。
そんな街のような大学。校舎の中はどうなっているんでしょう??
2、日本語学部の授業にお邪魔しまーす
ドーンと構える学部棟に一歩入ると、
のんびりと、わんこが休憩中。大学構内には沢山の野良??犬が居ます。
きちんと学部ごとに縄張りがあって、学生たちも「医学部の犬」とか「バスケットコートの犬」とか言ってちゃんと認識しています。
教室まで入ってくることはありませんが、校舎内には普通に居ます。
日本では近年、野良犬を見かけることがないのでこれも驚きの風景ですよね・・・。
授業の風景は
こんな感じで、日本と似たような感じですね。
大きく違うのは、その講義時間。
なんと、1コマ3時間!!!!
私が学生時代は1コマ90分だったので、倍もあるんです。
90分でも睡魔との戦いや、教授の目を盗んで漫画を読んだり色々大変だったのに・・・。
3時間もじっと座って勉強するなんて、タイの大学生は大変。
更に、写真にも写っていますが業務用エアコンが小さな部屋に2基+扇風機。そりゃもう極寒です。
学生たちもカーディガンやパーカーを持ち込んで寒さ対策に余念がありません。
タイの大学はとにかく寒い・・・肝に命じておきましょう。
授業内容で面白かったのは、グループごとの研究発表。
日本の文化について研究していたのですが
私が覗いた時は「日本のコンビニにはチーズ味のお菓子が多すぎる」と
「日本はクリスマスにサンタのコスプレをする」というテーマでした。
・・・・コスプレの発表に関してはワタクシ、色々と異論もありましたが。
苦笑いしながら研究発表を聞かせて頂きました。
世界的にアニメ、コスプレ、アイドルといったサブカルチャーが日本を代表する文化になってきているんですよね・・・。
タイの大学生の興味を垣間見て楽しい時間でした。
3、タイの大学は制服があるんです
WEBで「タイ 大学生制服」と検索すると、「可愛い」「セクシー」と言ったキーワードがヒットします。
基本的には全国共通で
「白シャツ+黒のスカート(黒のスラックス)」で、
学校指定のモノはなく、街の制服屋さんで自分好みのものを購入します。
大学の襟章とベルトのバックル、ネクタイは指定のものを身に着けますが、それ以外はいたって自由。
スカートはタイトミニからスケバン風プリーツロングまで各種取り揃えて〼。
白シャツをピッチピッチタイトで着るのが可愛い!とイケてる女子大生の間で流行り出して、
5Sサイズ(!!!)のシャツにギリギリ丈のタイトミニ(さらにスリット入り!)を合せるという力技もありますが、
これはとにかくスタイルが良いタイの女子大生にのみ許された衣装です。
大学によってそのスカートのセレクトにも特徴があり、
お嬢様が多いと有名な私立大学やバンコクの街中にキャンパスがある大学はセクシー系が多く、
ブラパー大学の様に地方にある大学では清楚系が多い印象です。
また、基本が膝丈のスカートなので新入生はミニやロングを着てはイケナイとか、
なんだか「アンタ、スカート短いんじゃないの?!」
と校舎裏にお呼び出しがあった時代を彷彿とさせる謎ルールもあるとかないとか。
国が変わっても新入生は大人しくしておけ、という事らしいです・・・。
そして、ブラパー大学には伝統の謎ルールがもう一つ。
入学から一定の期間は、先輩から指定されたコスプレ風制服で過ごさなくてはいけません。
年功序列が根強いタイ社会。
先輩後輩の関係は割ときっちりしています。
先輩が「今年はセーラームーン風でいこか」と言えば、
新入生は、こんな大きなリボンを付けて登校したり、
「タイの伝統衣装を取り入れちゃう?」と言えば、
男子でも肩にスカーフをなびかせなくてはいけないのです。
・・・と言ってもこの伝統は毎年学生たちのお楽しみなので、強制感は全くないようです。
他にも、ブラパー大学では学部ごとにポロシャツを製作するのが定番で、基本的に制服として着用できます。
日本語学部でも毎年学祭のタイミングで「学部ポロ」を製作していて
上級生が決めた「一押し日本語」のポロシャツを着ています。
先輩が後輩に託すという意味で言葉がセレクトされるので、割と深イイ言葉を背負ってます。
実は私も、少し大学に関わっていたので
「円満」ポロシャツ、持ってます♪なかなか着る機会はありませんが、タイ駐在の大切な思い出の一つです。
4、学生の憩いスポット、超ハイスペックなライブラリー
大学内の施設は割とオープンに地域に開放されてますが、ライブラリーは基本的に学生と関係者しか入ることは出来ません。
入り口に駅の自動改札のようなゲートがあり、学生証をかざして入館します。
そんな禁断のライブラリーに駐妻(初?)潜入!!
どでかいiPhone風インフォメーションが構える入り口を抜けると
どこのラウンジですか、というスペースが。
右のカウンターデスクには自由に使えるタブレットが沢山。
ソファーでゆったりと読書なんて、優雅な勉強タイムですよね。
集中して勉強したい学生は、こちらのスペースで。
グループ研究でも利用できるように個室になったミーティングルームや、40インチモニターで映画も楽しめるゾーンもありました。
タイ語はモチロン、英語、中国語、日本語etc・・・の圧倒的な蔵書数をみると、我が母校の図書館が残念に感じてしまいました。
エアコンも効いて快適なライブラリーは、下宿生活の学生たちにとって最高の癒しスポットの様子で、
勉強をしている学生と明らかに娯楽に来ている学生とが混在していました。
5、まとめ
なかなか立ち入る機会がないタイの大学内。
人懐っこいタイの学生たちは、写真を撮りまくる明らかに学生でない日本人にも寛容で、
学食のおすすめメニューを教えてくれました。
敷地内に数えきれないほどある食堂やカフェを巡るのも楽しいです。
広大な敷地内は無料のバスが巡回しています。
学生たちのお邪魔にならない様に、のんびり散策してみては如何でしょうか。
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