皆さんはウズベキスタンと聞いたら何の食べ物を思い浮かべますか?
「タイ料理」や「ベトナム料理」と聞くとなんとなくどんなものか思いつくと思いますが、「ウズベキスタン料理」についてはあまり耳にしたことがないのではないでしょうか。
私もそうでしたが、ウズベキスタンに駐在していると言うと、周りの人にウズベキスタンってどんな食文化なの?みんな何を食べてるの?主食は何?とよく聞かれます。
そこで、今回はあまり馴染みがないであろうウズベキスタンの食文化についてご紹介します!
主食はナン
ウズベキスタンの主食は、小麦粉から作られたナン(ノン)です。インド料理などで提供される薄く長細いナンとは違い、丸く、穴の空いていないベーグルのような形をしています。
タンドールと呼ばれるかまどで焼かれたナンは町ごとに厚さや味、食感が違います。
ウズベキスタンの食卓にかかせないナンは、スーパーはもちろん、バザールなど町中で見かけることができます。
(上の写真はスーパーのパンコーナーで売られているナン。柄が入っているものも見かけます。)
味付けはどんなの?
アジア料理と聞けば、スパイスや唐辛子が効いた味付けを想像すると思いますが、ウズベキスタンでは基本的に塩胡椒にクミンなどを加えた、シンプルな味付けが多いです。唐辛子はあまり使われず、辛い料理はほとんどありません。
デザートやお菓子については、砂糖が多く使われ、日本人にとっては非常に甘く感じるものが多いです。
また、カフェやレストランでチャイ(お茶)やコーヒーを何も言わずに頼むと、砂糖がたくさん入ったものが出されます。
オーダー時、砂糖やミルクについて聞かれる時はいいですが、聞かれない場合は自分から「砂糖はなし」または「砂糖は別で」と言ったほうがいいかもしれません。
メインディッシュは肉料理
ウズベキスタンは海に面していない二重内陸国ということもあって、基本的にメインの料理は肉料理です。
国民の9割以上がイスラム教を信仰しているため、肉は牛肉、羊肉、鶏肉が多いです。
(豚肉も食べることは可能ですが、韓国料理など非ムスリム系レストランに行く時に限られます。)
代表的なウズベキスタン料理
ウズベキスタン料理はたくさんありますが、今回は有名で、代表的なウズベキスタン料理をご紹介します。
◾️プロフ
たっぷりの油で米と羊肉、牛肉を炊き込んだウズベキスタンの伝統料理です。
ピラフの原型といわれている料理で、ウズベキスタン国内でも、地方によって作り方に多少の特色があるとのこと。
ちなみに、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
個人的には、タシケントのプロフよりも、サマルカンドのプロフのほうが油っこくなくておすすめです。
◾️シャシリク
肉の串さし料理で、日本ではシシカバブとして知られています。(シャシリクはロシア語)
牛肉または羊肉を炭火で焼きあげたもので、付け合わせとして生玉ねぎが一緒に出てきます。
バザールに行けば、目の前で焼いているところを見ることができます。
◾️ラグマン
トマトベースのスープの中に小麦粉から作ったうどんに近い麺が入った麺料理です。
店によっては麺の上に具だけをのせた、汁なしのラグマンもあります。(写真は汁なしラグマンです)
◾️サムサ
ナンと同じタンドールかまどで焼くパイで、中身の具材は店によって様々です。一般的には羊肉や玉ねぎ、かぼちゃなどが入っています。
サムサは街中で売られており、お腹が減った時などおやつ代わりにおすすめです。
タシケント市内では、人々が店の前でサムサを立ち食いしている姿をよく目にします。
お酒について
イスラム教といえば、食べ物に関する戒律を有しているのはご存知かと思いますが、ウズベキスタンのムスリムの大半がごく普通に飲酒しており、中東諸国とは違い、アルコールに関しては比較的寛容かと思います。
アルコール類は街にある酒屋で入手可能(スーパーでは販売していません)で、レストランでも一般的に提供されています。
ウズベキスタン人が消費するのは、主にビールとウォッカで、酒屋ではたくさんの種類のウォッカが販売されています。
様々な国から影響を受けて作られたウズベキスタンの食文化
ここに来るまでは、ウズベキスタン料理をなにひとつ知らなかった私ですが、実際に食べてみると日本人の舌に馴染みやすく、おいしい料理が多いと感じました。
というのも、シルクロードの中間地点に位置し、昔から食の面でも中国、ロシア、ヨーロッパ、中東などの様々な文化に受けたからだそうです。
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