海外出産で誰しも日本の家族が手伝いに来られる訳ではありません。
仕事をしている、介護があるなどそれぞれ家庭によって事情があると思います。
そして2020年3月現在、新型肺炎の影響で世の中が混乱の最中です。
家族が手伝いに来ることができない、帰国して里帰り出産するつもりだったのに予定を変更することを考えている方もいるのではないでしょうか。
今回はアメリカで日本からの手助けなしに出産前後を乗り切る方法を筆者の体験談を交えながら紹介します。
アメリカでは里帰り出産は少数派!
アメリカでは里帰り出産よりも出産前後も夫婦の家で過ごすケースが一般的です。
直前まで仕事をしている人が多く、法律で認められている産休・育休が短い(最大6週間)ということも理由のひとつだと思います。
家族や親せきが夫婦の家を訪れて数日~数週間、手助けをする家庭もあれば、外部のサポートを取り入れながら夫婦で子育てする家庭もあります。
里帰り出産でない場合のメリットとデメリット
日本は里帰り出産するケースが多いと聞くので、不安に感じる人もいると思います。
そこでメリットどデメリットを検証してみました。
メリット
- 母親とベビーが移動しなくてよい
- 出産&ベビー用品はすべて自宅に用意すればよい
- 夫が出産時に一緒にいられる
- 新生児期の子育てを共有できる
- 同じ産婦人科で出産できる(健診と出産が違う病院もあり)
- 生後すぐの健診から担当の小児科に診てもらえる
デメリット
- 核家族で夫婦以外の手助けがないと体力的にキツイ
- ベビーシッター等のサポートを利用するとお金がかかる
- 家族のサポートがあっても滞在予定日と出産日がずれる場合がある
家族以外の手助けを利用する手段
産後すぐ復帰する女性や家族のサポートが得られない(あっても短期間)ケースも多いことから、出産前後に利用できる外部サポートも充実しています。
私が検討したサポートは以下の5つです。
- ベビーシッター
- 産後ドゥーラ
- 中国系の産後ケアホーム
- ハウスキーピングサービス
- 知り合いを頼る
出産時に家族のサポートがない場合は産後ドゥーラという専門の資格を持ったプロにお願いすることもできます。
自宅に来てベビーのお世話や産後の母親のフォローをしてもらえます。
ベビーシッターやハウスキーピングは日本よりも普及していて気軽に利用しやすいですね。
日本に昔の「床上げ」文化があったように、中国でも産後はゆっくり体を休めることがよいと考えられています。
その考えに基づいて、中華系の人々はスタッフのサポートを受けながら母子が安心して生活できる施設に入居する人がいます。
用していた友達の出産祝いで訪れた時の印象は産後の入院の延長という感じでした。
家事、食事の準備、ベビーのお世話などほとんどやってくれて至れり尽くせりです。
日本人が利用する上で難点なのは、会話が中国語と英語に限られることですね。
第2子以降の出産:上の子のお世話はどうする?
また、お腹のベビー以外にお兄さん、お姉さんがいる場合は上の子供達のお世話も必要になります。
特に、出産時や入院中に手助けがあると非常に助かります。
主に以下の点が気がかりでした。
- 急な出産になった時、状況に応じて子供か妊婦に付き添ってもらう
- 入院中の子供の世話
- スクールや習い事の送迎
- アフタースクールの遊び相手
子供が小さくてスクールに通ってない場合は、退院後に上の子の遊び相手もこなさなくてはいけませんね。
外遊びや外出も必然的に増えます
我が家は第1子の出産時に私の母に手伝いに来てもらいました。
しかし、意見の食い違いやトラブルが重なってストレスを感じた(※詳細記事はこちら)ので第2子を妊娠した時には実家の手助けなしで乗り切ることを決めていました。
そこで導き出した対策がこちらです。
- 出産予定日の2ヶ月前から上の子のプリスクールを週5日に増やす
- 予期せぬ出産になった場合の上の子の預け先を確保
- 産後1週間は夫が有休を取得(週末出産だったので結局取得は3日のみ)
- 産後の子供の送迎はベビーシッターに依頼
- 産後のアフタースクールもベビーシッターを依頼
預かり時間の長いフルタイムのデイケアに通わせることも検討しましたが、環境の変化が大きすぎるので日数を増やすだけに止めることにしました。
一番ネックだったのが出産するときです。
日中1人でいる時や子供と2人だけの時に出産が始まってしまった場合は、状況に応じて上の子のお迎えや預かってもらえそうな人に打診し、あらかじめ依頼しておきました。
また夜中に病院に行く状況になった時も悩みどころでした。
突然ベビーシッターを呼び出す訳にもいきません。
その点はタイミングよくアメリカで転職活動中の親戚に出産前後に来てもらうことができてラッキーでしたが、(※第2子出産記事はこちら)
そうでなければ夫と一緒に寝ている子を連れて行くか、私一人で病院に向かう予定でした。
同じアパートやコミュニティ内にお願いできる知り合いが住んでいれば、夜中に病院に行く際にその家族に上の子供を預かってもらったというケースもあります。
金銭的負担が大きい選択で家計は赤字でしたが、数カ月間だけのことだと割り切りました。
夫の仕事環境を変える
外部に頼らなくても家族内で解決する方法もあります。
そのひとつが夫が育児休暇を取得(パタニティリーブ)し、家族と過ごすことです。
実は我が家、最初に考えた方法は夫が育児休暇を取得することだったんです。
会社の制度上は男性社員も育児休暇の取得が認められています。
しかし、日本でも事例が少ない上に駐在員が取得するとなると波紋を呼んだようで、実現しませんでした。
無給でも構わないという考えでしたが、家賃補助や駐在手当など給与以外の面でお金が発生している点があり、すんなり話が進まなかった原因だったようです。
次に考えられるのが在宅勤務をすることです。
これは業務内容で可能か否か異なりますね。
夫は出向先の会社で現場にいないと仕事ができなかったので、この案は断念しました。
パソコンと資料があれば仕事ができるという方は会社に打診してみるといいと思います。
家にいても仕事に重点を置かれては大きな戦力にはならないかもしれませんが、ちょっとした手助けが欲しいときに大人がもう1人いるだけで全然違うものです。
これらの方法を取り入れるには会社の海外赴任規定と現地会社の休暇規定を確認して、早めに相談するのがいいですね。
家族の手助けがないことを知り合いに伝えておく
「迷惑をかけたくない」という気持ちが強くて、なかなか人に頼れない性分の方もいます。
でも、あえて手助けがないことを周りに知っておいてもらい、いざという時は頼りたいというお願いをしておきましょう。
頑張りすぎないように予防線を張っておくのも大事です。
妊娠中、色んな人から質問がありました。
「アメリカで出産するのか?」
「日本の家族から協力は得られるのか?」
「家族の手助けがある場合、どのタイミングで渡米する?滞在期間は?」
皆さん好意からの質問だったと思います。
実際、私も知り合いの妊婦さんの出産予定日が近づくとそわそわして、「なんでも気軽に声かけてね!」と言ってました。
そして家族の手伝いがないと知ると気にかけてくれる人が特に多いように感じました。
上の子と一緒に遊んでくれたり、逆にベビーをみてくれて上の子と接する時間を作ってくれたり。
お料理の差し入れを頂くことも何度かありました。
産後は体力も低下し、一番大変なときだと理解して手を差し伸べてくれるのでしょうね。
このような好意には素直に甘えていいと思います。
食事は作り置き、デリ、外食のローテーションでした。
おわりに
私が実際に利用した外部の手助けを総括すると以下の3点です。
- 当時2歳の子供を週5日でプリスクールに預ける
- 出産後のスクール送迎、アフタースクールはベビーシッターを依頼
- 出産時の親戚のサポート(航空券、滞在費、謝礼)
また、対策していても実際には想定通りにいかないこともあります。
それでも出産前に不安や負担を少なくする方法を家族で相談し、対策を導き出しておいたことは良かったです。
家庭環境、居住地域、会社の制度の違いもありますが、私の経験が参考になれば幸いです。
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