前回、第1子の海外出産経験を紹介しました。
幸運にも第2子を授かり、同じ病院、主治医のもと出産できることになりました。
「一度経験しているし、今回は予定日より早くなっても余裕を持って対処できる!どんと来い!」
という心持ちでしたが、同じ出産はないということを実感させられました。
破水から始まった出産、そして上の子がいる場合の対応という点で前回とは違った点をお伝えしていきます。
待てど暮らせど出産の兆候なし
初産が2週間早かったので第2子の時は予定日の1カ月前には準備万端!
8か月を過ぎるとお腹がはちきれそうなくらい重くなり、
早く出てきて欲しいという気持ちも正直ありました。
が、期待に反して出産の兆候はなく、予定日も過ぎてしまう…。
最後の健診で計画分娩の日を予約して、落ち着かない日々でした。
ちなみに入院可能な日程は病院が提示する候補から選択できたので、夫が休みの日曜日にしてもらいました。
(※ただしこの日から数日間は主治医は不在で対応できないことを告げられていました。)
1日目 深夜:夜間に起きた破水
あと2日で入院だから週末はゆっくり過ごそうと考えていたら、金曜から土曜にかけての深夜に破水しました。
眠りが浅くなっていた時に体の中からカチッと時計の針が動くような音が聞こえたのが印象的でした。
最初は気のせいかと思ったのですが、下半身に圧迫感があり通常とは違いを感じます。
破水したかもしれないので念のためベッドからは動かずに夫を起こします。
バスタオルを体の下に敷いて様子を見ていると股の間が濡れてきました。
破水だろうと確信したので病院に連絡。
通話しているうちに陣痛も始まったので、病院へ来るように指示を受けました。
手伝いに来てもらっている従姉妹に車で病院へ連れていってもらいます。
夜中に上の子が寝ているときに陣痛や破水が起きたとしたら、
朝には夫が自宅にいられるように事前に話し合って決めていました。
夫が病院に同行し、子供の起床時間までに自宅に戻ってこれる確証がなかったので、
彼は自宅で子供と待機することにしました。
入院に必要な荷物は事前にスーツケースに乗せてあったので財布と携帯だけ持ってすぐに出発。
最初は15分間隔だった陣痛は病院まで約10分の移動時間の間にどんどん短くなり、
到着する頃には5分間隔くらいになっていました。
電話で話した内容
- 本人確認(名前、住所、生年月日など)
- 主治医の名前
- 現状説明(妊娠週数、破水の量、出血の有無、陣痛の有無、陣痛の間隔)
- 歩いて移動可能か
- 自宅から病院までの距離
- 交通手段の有無(同行者に運転してもらえるか、タクシー利用か)
1日目 早朝:病院で入院手続
駐車場からの移動の手間をなくすために病院のロビー前に到着し、
バレーパーキングを利用することにしました。
$13で係員が車を移動してくれるし、24時間出し入れ自由で便利です。
ロビーにいる警備員に事情を伝えると車イスを持ってきてくれ、補助スタッフも呼んでくれるという親切な対応。
この丁寧さは夜間で他に人がいなかったからかもしれません。
第1子の時と同様、受付でIDを見せて手続きを済ませます。
すでに破水していたので手続きが終わり次第、即座に個室へ通されました。
入院着に着替えると防水シートを敷いた診察台に横になってバイタルチェックと子宮口の確認です。
経産婦だったためか今回は痛みが少なく、子宮口のチェックで叫びまくるという醜態は晒さずに済みました。
着てきた服とタオルは濡れてぐちゃぐちゃだったのでビニール袋に入れてもらえました。
バイタルチェックをしている間にも陣痛が酷くなってきて3分間隔に。
これは早く麻酔を打ってもらわないと間に合わないかもしれない、と一抹の不安が頭をよぎります。
分娩室へ移動
車いすで分娩室に移動するとまたバイタルチェックを行い、陣痛モニターをつけます。
血圧が高めだったので点滴で血圧を下げる薬を投薬してもらいました。
痛みでこの頃から記憶は曖昧ですが、英語で受け答えはできていました。
分娩室のテレビと荷物台。荷物はカートにまとめて乗せて移動できます。
一通り確認が終わると麻酔はどうするか聞かれました。
かなり痛みがあったのでできるだけ早く麻酔をしたいと伝えます。
しかし待てど暮らせど麻酔科医は姿を現しません。
「もしや忘れられているのでは?」と思ってナースに何度も確認したのですが、
麻酔科医が忙しくて手が足りない状態らしい…。
待っている間はあまりの痛みに悶絶し、陣痛が来るたびに絶叫を繰り返していました。
前回感じていた苦しみとは比べ物にならず、これが本当の陣痛なのか…と涙していました。
こうなってしまうともう英語なんて頭に入ってきません。
日本語でずっと痛い痛い、と叫んでいただけです。
麻酔が打てない状態まで進んで、麻酔なしで出産することになってしまったらどうしよう?
お産の進行が早く、麻酔が間に合わなかった友達の話を思い出しました…
1日目 午前:「Epidural is My BEST FRIEND!!」
待つこと約2時間。ようやく麻酔科医が来てくれたときは後光が差して見えました。
麻酔の針を入れるときは動かずに同じ姿勢を保っていないといけないのですが、
陣痛が来るたびに絶叫していたので難易度Sクラスのミッションです。
陣痛の合間になんとか体勢を整え、ゆっくりと呼吸することを心掛けます。
陣痛の痛みで動かないようにナースが体を包み込み、呼吸を合わせてリラックスさせてくれたおかげで投入することができました。
麻酔が効いてきたら先程までの痛みが嘘のように消えました。
まさに「Epidural is My BEST FRIEND!!」です!
前回の出産で体に不調が出たり、パニック状態になると英語で冷静に対処できないことは経験していたのですが、
本格的な陣痛がここまでの痛みだったとは…
従姉妹が一緒にいてくれて本当に助かりました。
ナースにそのことを話すと、「英語がネイティブの人でも痛みが酷いと話せなくなるから普通のことよ~。」とポジティブに返してくれて救われました。
1日目 午前~午後2時:分娩までの平和(穏やか)な時間
前回同様、麻酔を使うと陣痛の間隔が開きました。
以前、麻酔が効きすぎて下半身が動かなかったことを伝え、
量を調整してもらったのでちゃんと足も動かせます。
痛みがなくなったことで、子宮口が開くまで仮眠を取ることができました。
病院のカフェやレストランは週末でも営業しているので付き添いの人も食事ができます。
平日なら院内に入っているファストフード店も複数営業しており、もっと選択肢は多くなりますね。
一方、自宅で待機中の夫には週末に買い出し予定だった食料品や必要になりそうなものの買い物を済ませてもらうことにしました。
ドクターの見解だと出産は午後~夕方になるとのことだったので、余裕を持って行動できます。
奥のソファで夫と子供は映画観賞
昼寝後に夫と子供が到着し、子宮全開になるまでのんびり過ごします。
出産の経過も順調で分娩室への子供の同伴許可が出てほっとしました。
朝に母親がいなくて寂しがっていた子供の様子が心配でしたから…。
初診に同伴したときのパニックぶりから子供の反応を心配していたのですが、意外にも平気でした。
慣れない病院と母親が普段と違う状態、ということよりも会えたことの嬉しさの方が勝っていたようです。
反応によってはファミリールームで待機することを想定していたので嬉しい誤算でした。
用意してきたおもちゃで遊んだり、分娩室のテレビを観ながら大人しく過ごせたことにも感動です。
肝心のベビーは順調に骨盤の方へ下がってきていました。
が、顔の向きが好ましくない位置にあったようです。
そこでクッションを使って一時間おきに体勢を変えてナースが修正してくれました。
この方法が見事にうまくいって安産に繋がったのです。
1日目 午後:いざ2度目の分娩!
担当ドクターが「さあ、産みましょうね~!」とナースやスタッフを引き連れてやってきました。
前回は最初にナースだけだったので大人数での入室に驚きました。
他に分娩間近の妊婦が少ない状況で、私は経産婦だからすんなり生まれてくると判断されたのでしょうか…理由は謎です。
2度目ということもあっていきむコツはつかみやすかったです。
ベビーが大きく、出てくるときの旋回が難しいようだったのでナースとドクターが少しずつ位置を修正しながら慎重に調整を行っていました。
今回は非常に落ち着いた穏やかな分娩でした。
それこそドクターとナースが軽口を言いながら、冗談も飛び交うくらいの余裕。
私がいきんでいる傍らで子供はテレビを観ながらおやつをもぐもぐ。
夫は私の様子を見つつ、もっぱら子供のお世話。
これが本当に出産の場なのだろうか?と思ってしまうくらいくつろいでて、コメディのように感じます。
私たち夫婦は出産の瞬間はさすがに上の子は退室した方がいいだろう、と考えていたのですが、
「せっかく兄弟が生まれるんだから一緒にいればいいじゃない!」とドクターに言っていただき、そのまま一緒にいることになりました。
夫と子供に応援され、「よーし、がんばるぞ!」といきむこと約1時間。
破水からちょうど半日で第2子が生まれました。
頭が出たら気を抜いてしまい、「ナースにまだ体が残ってるからあと数回いきんで!」と注意されてしまいました…。
お腹をぐいぐい押されるの、地味に痛いんですよね…。
頭も大きかったベビーは事前のウルトラサウンドの数値通り、ビッグベビーでした。
上の子との差、約2パウンド!
「ワーォ!こんな太いへその緒見たことない!」
ドクターやナースもびっくりする程、へその緒が太かったそう。
ちゃんと栄養が行き渡っていて何よりです。
出生直後の体重測定
さて、それまで大人しかった子が生まれたベビーの泣き声に反応して泣き出してしまいました。夫はへその緒カットを手早く済ませると、娘を連れて慌ただしくファミリー控室に退散していきました。
ベビーや私の後処理が終わった頃に落ち着いて戻ってきました。
想像していたベビーと違って怖かったそうです。
産後の処置
心配だった出血も問題なく、会陰切開の傷を縫合してもらって産後の処置が終了しました。
ただ、血圧が高かったので点滴で薬を投薬し、数時間様子を見てから夜には通常の入院室へ移動しました。
生まれたらベビーも手にタグを付けてもらい、退院後に外します
ここで困ったことが1点。
日本に提出する出生証明書のドクターサインはミドルネームを省略で書いてあったので正式名称に変えてもらう必要がありました。
入院中に新しい用紙に書いてもらうようコンタクトを取ったのですが、
ドクターとタイミングが合わずに修正することはできませんでした。
仕方なくそのまま日本の出生届を提出したところ、受理されました。
これは領事館や受け取る自治体によって違いがあるかもしれません。
2度目の出産を終えて
正直、同じ経膣分娩でもこんなに違うものかと驚きました。
特に麻酔科医を待っている間の陣痛の痛みは経験したことないレベルであの痛みは二度と味わいたくないです。
初産と違う点や対策しておいて良かったことをまとめてみました。
初産と違った点
- 夜中に破水が起きて焦った
- 陣痛の痛みが酷くて英語でコミュニケーションを取ることが難しかった
- 上の子のケア、生活を維持しながらの出産
- 同じ病院、システムで様子はわかっていたので余裕はあった
- 出産の立ち会いは主治医ではなかった
良かった点
- 夜&週末で家族が一緒にいる時に出産が始まり、うまく対応できた
- 従姉妹が運転・英語ができたのでフレキシブルに動けた
- 夫が上の子のケアをできた
- 計画分娩の予約をしていて準備万端、上の子も近々ベビーが生まれてくることを理解していた
今回は想定していたパターンの中でも一番動きやすくて幸運でした。
平日で夫が会社に出勤していたり、子供がプリスクールに行っている時間帯に出産の兆候が出れば、全く異なる対応になっていたことでしょう。
やはり上に兄姉がいるとその都度対応を考えていかないといけませんね。
次回以降は入院中の過ごし方や退院後のスケジュールも紹介したいと思います。
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